ささめや ゆき(1943年〈昭和18年〉8月2日 - )は、日本の版画家、イラストレーター、絵本作家。

経歴・人物

東京都大田区蓮沼町に生まれ、逗子で育つ。画家になる前は、出版社の文芸部に所属しており、日本文学全集などの編集を手がけていた。

24歳のときに画家になることを決意する。1968年、御茶の水美術学院に入学する。1969年と1970年に二科展に入選する。1970年にパリ、1971年にニューヨークで絵画を学ぶ。1972年、フランスのシェルブール美術学校で学ぶ。

1973年に帰国してからは、「細谷正之」名義で版画や油彩画の作品を発表する。1985年、「ルーが来た日」でベルギー・ドメルホフ国際版画コンクールの銀賞を受賞する。1990年代からは、「ささめやゆき」名義で活動している。1995年、『ガドルフの百合』で第44回小学館絵画賞を受賞する。

1999年、「真幸くあらば」「秋が匂って」「眠れるままの女」で講談社出版文化賞〈さしえ賞〉を受賞する。2000年、『あしたうちにねこがくるの』で第6回日本絵本賞を受賞する。2009年、『彼岸花はきつねのかんざし』で第23回赤い鳥さし絵賞を受賞する。2017年、「さっ太の黒い子馬」で2016年度JRA賞馬事文化賞を受賞する。

出版デビュー作

初めての出版物としては、1989年7月刊行の『看板物語』(文:平林規好、六興出版、ISBN 4-8453-7166-9 ※のちに筑摩書房より復刊)を、絵本デビューならば1994年1月刊行の『ブリキの音符』(文:片山令子、白泉社、ISBN 4-592-76067-0)の2冊を挙げている。
出版社からの依頼で絵本も手がけるようになったが、実は今でも「絵本作家」だとは思えないと2004年時点で語った。

作品リスト

  • フォークロア世界への旅(1990年、毎日新聞社、進藤 幸彦 作)
  • 白ネコ横丁冬ものがたり(1990年、汐文社、中沢晶子 作)
  • 不思議な黒い石(1990年、原生林、ジル・ペイトン・ウォルシュ 著)
  • ジグソーステーション(1991年、汐文社、中沢晶子 作)
  • テントの旅人(1992年、汐文社、中沢晶子 文)
  • 眠らぬ森の子どもたち(1993年、汐文社、中沢晶子 作)
  • エロシェンコ童話集(1993年、偕成社、ワシーリー・エロシェンコ 作)
  • ブリキの音符(1994年、白泉社、片山令子 文)
  • おいでおいでの木においで(1994年、教育画劇、石井睦美 作)
  • 仮面の国のユリコ(1994年、偕成社、浜たかや 作)
  • 看板物語(1994年、筑摩書房、平林規好 文)
  • エレファント・タイム(1995年、偕成社、中沢晶子 作)
  • 幸せの青いチリトリ(1996年、文渓堂、山末やすえ 作)
  • 少年のはるかな海(1996年、偕成社、ヘニング・マンケル 作)
  • どうぶつふうせん(1996年、ほるぷ出版、岩瀬成子 作)
  • ほんとうらしくうそらしく(1996年、筑摩書房、ささめやゆき 著)
  • ヴァン・ゴッホ・カフェ(1996年、偕成社、シンシア・ライラント 作)
  • ガドルフの百合(1996年、偕成社、宮沢賢治 作)
  • あした月夜の庭で(1997年、国土社、中澤晶子 作)
  • さくらのもりのものがたり(1997年、小学館、マオアキラ 文)
  • おさじさんのたび(1997年、にっけん教育出版社、松谷みよ子 作)
  • マルスさんとマダムマルス(1997年、原生林、ささめやゆき 文 )
  • おもちゃ屋へいったトムテ(1998年、福音館書店、エルサ・ベスコフ 作)
  • カボチャの絵本(1999年、農山漁村文化協会、いとうきみお 編)
  • 大空のきず(1999年、小峰書店、次良丸忍 作)
  • スウィート・メモリーズ(1999年、金の星社、ナタリー・キンシー=ワーノック 作)
  • ほうきにのれない魔女(1999年、ポプラ社、茂市久美子 作)
  • どんぐりっと(2000年、ポプラ社、志茂田景樹 作)
  • 読むことは生きること(2000年、ポプラ社、紺野順子 著)
  • 毒づき法師(2000年、佼成出版社、内田麟太郎 作)
  • ふこうばなし(2000年、佼成出版社、内田麟太郎 作)
  • ひとりずもう(2000年、佼成出版社、内田麟太郎 作)
  • あとずさり(2000年、佼成出版社、内田麟太郎 作)
  • 二枚舌(2000年、佼成出版社、内田麟太郎 作)
  • あしたうちにねこがくるの(2000年、講談社、石津ちひろ 文)
  • 不思議の風ふく島 飯田さんの運転日誌(2001年、小峰書店、竹内もと代 作)
  • ブルーベリーの絵本(2001年、農山漁村文化協会、たまだたかと 編)
  • どんぐりっとのコンサート(2001年、ポプラ社、志茂田景樹 作)
  • 天国に近い村(2001年、偕成社、シンシア・ライラント 作)
  • 金のガチョウ(2001年、教育画劇 、矢川澄子 再話)
  • ファミリー・ツリー(2001年、講談社、ジェーン・ゴドウィン 作)
  • レッスン(2002年、平凡社、キャロル・リン・ピアソン 文)
  • 鳥の神話(2002年、原生林 、マオアキラ 著)
  • おいでおいでの木においで(2003年、日本標準 、石井睦美 作)
  • 若草色のポシェット(2003年、岩崎書店、赤川次郎 作)
  • 細谷正之銅版画集(2003年、架空社、ささめやゆき 作)
  • 幻燈サーカス(2003年、BL出版、中澤晶子 文)
  • かぐかぐ からだこころげんき(2004年、PHP研究所 、カムカムズ 文)
  • すずのへいたいさん(2004年、小学館、角野栄子 文)
  • かちかちやま(2004年、岩波書店、長谷川摂子 文)
  • いきてる(2004年、自由国民社、中山千夏 文)
  • ネパール旅日和(2004年、出版工房原生林、ささめやゆき 文)
  • キス(2004年、BL出版、安藤由希 作)
  • サバクの虹(2005年、小峰書店、坪田譲治 作)
  • セロひきのゴーシュ(2005年、岩崎書店、宮沢賢治 作)
  • イチジクの絵本(2005年、農山漁村文化協会、かぶもとてるひさ 編)
  • 神さまが…(2005年、偕成社、シンシア・ライラント 作)
  • えんまさまのしっぱい(2005年、くもん出版、おざわとしお、こばやししょうき 文)
  • もしもねこがサーカスにいったら(2006年、講談社、石津ちひろ 文)
  • ブリキの音符(2006年、アートン 、片山令子 文)
  • ぶす 附子(2007年、講談社、もとしたいづみ 文)
  • なつのおうさま(2007年、ポプラ社、薫くみこ 作)
  • はだかのカエルとはだしのライオン(2007年、講談社、ささめやゆき 作)
  • 魔女と森の友だち(2007年、理論社、湯本香樹実 文)
  • だんまり(2007年、アリス館 、戸田和代 文)
  • 彼岸花はきつねのかんざし(2008年、学習研究社、朽木祥 作)
  • ヘッセの夜 カミュの朝(2008年、集英社、ささめやゆき 著)
  • ごんぎつね 新美南吉傑作選(2008年、講談社、新美南吉 作)
  • レンコン(ハス)の絵本(2008年、農山漁村文化協会、おざきゆきお 編)
  • はんぶんぺぺちゃん(2008年、佼成出版社、村中李衣 作)
  • 秋ものがたり(2008年、偕成社、野上暁 編)
  • つるのよめさま(2008年、講談社、松谷みよ子 作)
  • 舌切りすずめ(2008年、講談社、松谷みよ子 作)
  • ビジネスマナー常識集 充実した職場生活を送るために(2008年、日本経団連出版、葛田一雄 著)
  • 瓜子姫とあまのじゃく(2008年、講談社、松谷みよ子 作)
  • よだかの星(2008年、三起商行 、宮沢賢治 作)
  • 新装版 ごんぎつね 新美南吉傑作選(2008年、講談社、新美南吉 作)
  • 新装版 つるのよめさま(2008年、講談社、松谷みよ子 作)
  • 新装版 舌切りすずめ(2008年、講談社、松谷みよ子 作)
  • 新装版 瓜子姫とあまのじゃく(2008年、講談社、松谷みよ子 作)
  • もりやまみやこ童話選 4(2009年、ポプラ社、もりやまみやこ 作)
  • オオカミがきた(2009年、岩崎書店、蜂飼耳 文)
  • 月の青空(2009年、岩崎書店、八束澄子 作)
  • 十四分の一の月(2009年、幻戯書房、ささめやゆき 著)
  • くまのこチャップ(2010年、そうえん社、ますだゆうこ 文)
  • したきりすずめ(2010年、岩崎書店、広松由希子 文)
  • サーカスのしろいうま(2010年、小学館 、石津ちひろ 作)
  • ねこじたなのにお茶がすき(2010年、淡交社、今江祥智 文)
  • くうき(2011年、理論社、まど・みちお 詩)
  • なまけもののエメーリャ ロシアの民話(2011年、小学館 、山中まさひこ 文)
  • イワンのむすこ(2011年、ハモニカブックス 、蜂飼耳 文)
  • ラブレター物語(2011年、小峰書店、丘修三 作)
  • ねこのチャッピー(2011年、小峰書店、ささめやゆき 文)
  • ぽぽんぴぽんぽん(2012年、福音館書店、松竹いね子 文)
  • きむらゆういちおはなしのへや 4(2012年、ポプラ社、きむらゆういち 作)
  • お父さん、牛になる(2012年、福音館書店、晴居彗星 作)
  • ありがとうっていいもんだ(2012年、文溪堂、森山京 作)
  • あんよあんよ(2013年、あかね書房、中川ひろたか 文)
  • あったあった(2013年、あかね書房、中川ひろたか 文)
  • 新美南吉童話選集 5(2013年、ポプラ社、新美南吉 作)
  • いとしい小鳥きいろ 博士に奇跡を運んだ小鳥との日々(2013年、ハモニカブックス 、石津ちひろ 文)
  • わたしのひよこ(2013年、ポプラ社、礒みゆき 文)
  • おさきにどうぞ(2013年、文溪堂、森山京 作)
  • イタリアの道(2013年、講談社、ささめやゆき 文)
  • あむあむ(2014年、あかね書房、中川ひろたか 文)
  • いこかいこか(2014年、あかね書房、中川ひろたか 文)
  • あひるの手紙(2014年、佼成出版社、朽木祥 作)
  • こどもたちへ まどさんからの手紙(2014年、講談社、まどみちお 文)
  • 椅子 しあわせの分量(2015年、BL出版、ささめやゆき 作)
  • 3 6の夏 ひろしま、あの子はだあれ(2015年、汐文社、中澤晶子 作)
  • 絵本 彼岸花はきつねのかんざし(2015年、学研教育出版、朽木祥 作)
  • なかよくなれたね(2015年、文溪堂、森山京 作)
  • バイバイ、わたしの9さい!(2015年、文研出版、ヴァレリー・ゼナッティ 作)
  • ちんころりん 高知の昔話(2016年、福音館書店、中脇初枝 再話)
  • こぶたものがたり チェルノブイリから福島へ(2016年、岩崎書店、中澤晶子 作)
  • 三方一両損 講談えほん(2016年、福音館書店、宝井琴調 文)
  • さっ太の黒い子馬(2016年、講談社、小俣麦穂 著)
  • おとうさんは、いま(2016年、福音館書店、湯本香樹実 文)
  • かえるぴょん(2017年、講談社、ささめやゆき 作)
  • 子どもつなひき騒動(2017年、福音館書店、宝井琴調 文)
  • かわいいおとうさん(2017年、こぐま社、山崎ナオコーラ 文)
  • さくらのカルテ(2018年、汐文社、中澤晶子 作)
  • まめつぶこぞうパトゥフェ スペイン・カタルーニャのむかしばなし(2018年、BL出版、宇野和美 文)
  • 徂徠どうふ(2018年、福音館書店、宝井琴調 文)
  • ジグソーステーション(2018年、汐文社、中澤晶子 作)
  • ButとOr(2019年、BL出版、ささめやゆき 文)
  • カイとティムよるのぼうけん(2019年、アリス館、石井睦美 作)

脚注

参考文献

  • ささめやゆき『ヘッセの夜 カミュの朝』集英社、2008年3月。ISBN 978-4-08-774885-7。 
  • 長塚通代 編「ニッポンの絵本作家100人パーフェクト・ガイド[永久保存版]」『月刊MOE 1月号:通巻291号』第26巻、第1号、白泉社、8-36頁、2004年(2004年1月1日発行)。ASIN B07XX5DF34。全国書誌番号:00040278。「①生年月日 / ②出身地 / ③デビュー作 / ④2004年の予定 / ⑤絵本作家になったきっかけ / ⑥子どもの頃読んだ本で心にのこっているもの / ⑦好きな作家、作品 / ⑧絵本作家になりたい人、読者へのメッセージ。」 

関連項目

  • 日本の小説家一覧
  • 児童文学作家一覧

外部リンク

  • “ささめや ゆき(作品一覧・著者プロフィール)”. 絵本ナビ. 2025年3月19日閲覧。

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